診断と回復ツールセットとは
Microsoftデスクトップ最適化パック (MDOP) の一部である診断と回復ツールセットは、Microsoft DaRTとも呼ばれるものです。その名前が示す通り、診断と回復ツールセットは、PCの問題を診断し、失われたファイルを復元するために使用するツール集です。
実のところは、レジストリエディター、ファイルエクスプローラー、クラッシュアナライザーツール、ファイルの復元、ディスクの修復、ウイルスのスキャンなどのツールを含む、Microsoftの公式ユーティリティスイートです。
Microsoft DaRTは、具体的には以下のようなことを行います。
- 使用不能になったエンドユーザーPCを復元します。
- PCがオフラインのときでも失われたファイルを復元し、マルウェアを検出して削除します。
- システム管理者が、起動しなくなったコンピューターや起動時に問題が発生するコンピューターを診断・修復できるようにします。例えば、クラッシュアナライザーはブルースクリーン(BSOD)の原因を特定します。
- ロック状態から抜け出せなくなったコンピューターを修復します。
- 国際標準化機構(ISO)形式や Windowsイメージング(WIM)形式のDaRTリカバリイメージを作成し、CD、DVD、USBに書き込みます。その後、そのリカバリイメージファイルを使用してローカルに展開するか、リモートパーティションや回復パーティションに展開します。
つまり、DaRTは、起動可能な緊急リカバリディスクとしてパッケージ化されたものです。PCが起動しなくなった場合でも、Microsoft DaRTを使用すれば修復できます。
関連情報:
PCが起動しない場合、MiniTool Partition Wizardを使って別のコンピューターに起動可能なCD/DVD/USBドライブを作成し、そのメディアを使って故障したコンピューターを起動することができます。その後、MBRの再構築、ファイルシステムチェック、サーフェステストなどの機能を使ってコンピューターを修復します。
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診断と回復ツールセットの開発
このセクションでは、診断と回復ツールセットの主なバージョンの機能をご紹介します。以下のコンテンツを読むことで、概要をすぐに把握できます。
DaRT 7
Windows回復環境(WinRE)を拡張するツールセットです。起動不能なPCを含む、Windowsベースのデスクトップのトラブルシューティングと修復を支援します。例えば、イベントログやシステムレジストリから問題の原因を見つけると、それをすぐに修正します。
DaRT 7は、以前のバージョンに含まれるすべてのシナリオを引き続きサポートし、3つの新しい展開オプションに基づいたリモート接続機能を追加しています。
DaRT 8
DaRT 8の新機能は以下の通りです。
- Windows 8やWindows Server 2012でDaRTイメージを作成
- ローカルハードディスクにWindows 8とWindows Server 2012をインストール
- BIOSかUEFIインターフェースに対応するイメージを1つ作成
- 1台のコンピューターから32ビットと64ビットの両方のイメージを作成
- パーティションにGUIDパーティションテーブル(GPT)を利用
DaRT 8には、コンピューターの管理、クラッシュアナライザー、Defender、ディスクコマンドツール、ディスクの消去、エクスプローラー、ファイルの検索、ファイルの復元、Hotfixのアンインストール、Locksmith、レジストリエディター、SFCスキャン、ソリューションウィザード、TCP/IP構成などのツールが含まれています。
DaRT 8.1
診断と回復ツールセット8.1は、以前のバージョンに基づいていくつかの機能を追加しました。例えば、DaRT 8.1は、WIMBootやDaRT 8.1イメージがWindows 8.1 Update以降で構築されている場合、WIMBoot(Windowsイメージファイルブート)環境をサポートします。
Windows Server 2012 R2やWindows 8.1を使用してDaRTイメージを作成できます。Windows ServerとWindowsシステムの以前のバージョンでは、以前のバージョンのDaRTを使用する必要があります。さらに、DaRT 8.1には、DaRT 8.0 SP1のリリース以降に見つかった問題を修正する更新プログラムが含まれています。
DaRT 10
DaRTはWindows 10のサポートを追加しました。これは、Windows 10でDaRTイメージを作成できるということです。Windows Defenderは、Windows 10のプレインストール環境イメージの一部となったことに伴い、DaRT 10ツールセットから削除されました。
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診断と回復ツールセットのダウンロード
DaRTのダウンロード・利用は無料です。システムバージョンに応じて適切なDaRTバージョンをダウンロードして下さい。ダウンロード要件はDaRTバージョンによって異なります。
DaRT 8.1をダウンロードする前に、まず以下のものをダウンロードしてください。そうでないと、DaRT 8.1のダウンロードに失敗します。
- Windows Assessment and Development (ADK) Kit 8.1(リモート接続ビューアーやクラッシュアナライザーのみをインストールする場合、ADK 8.1は必要なし)
- Microsoft .NET Framework 4.5.1
- Windows 8.1のデバッグツール
同様に、DaRTリカバリイメージウィザードには、Windows Assessment and Development Kit (ADK) 10.0をインストールする必要があります。ADK 10.0には Windowsプレインストール環境(Windows PE)と、Windowsイメージをカスタマイズ、展開、サービスするためのツールが含まれています。
リモート接続ビューアーやクラッシュアナライザーのみをインストールする場合は、ADK 10.0のインストールは必要ありません。DaRT 10でクラッシュアナライザーを使用するには、PCにWindows 10のデバッグツールをインストールする必要があります。
次に、Microsoftデスクトップ最適化パックのページで該当するリンクをクリックし、診断と回復ツールセットをダウンロードします。その後、画面の指示に従ってインストールを完了して下さい。
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