「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」オプションがグレー表示されるのは、機能が無効化されている、フォーマットの問題、Windowsのエディションなどが原因であることが考えられます。MiniTool ShadowMakerのこの記事では、4つの手段によるオプションの有効化やSFCの実行など、この問題を解決するさまざまな方法をご紹介します。

サイバー攻撃やその他の脅威が日々増加する中、データの安全を確保することは極めて重要です。暗号化はサイバーセキュリティの基礎となる手法で、データの漏洩や不正アクセスを防ぐ役割があります。暗号化されていない場合、データは第三者のベンダーやパートナーによるオンライン攻撃に対して脆弱な状態になります。

幸いなことに、Windowsオペレーティングシステムにはデータを保護するためのコンテンツ暗号化オプションが備わっています。

次のセクションでは、この機能の詳細と、「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレーアウトする問題について説明します。

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」について

概要

データを保護するための暗号化機能は、ドライブ全体ではなく、ファイルやフォルダ単位で利用できるように設計されています。この機能は、暗号化ファイルシステム(EFS)を使用して個々のフォルダやファイルを暗号化します。これにより、暗号化されたデータは、権限のないユーザーには読み取れません。

EFSは、対称暗号化(ファイルの暗号化)と非対称暗号化(対称鍵の保護)を組み合わせて使用します。非対称鍵ペアには、公開鍵(暗号化)と秘密鍵(復号化)が使用されます。

これにより、たとえ誰かがあなたのファイルやフォルダを入手しても、秘密鍵がなければ復号化できません。

つまり、暗号化ファイルシステムは機密データを保護するための追加のセキュリティ層を提供します。

2つの注意すべきヒント:

  • この機能は、Homeエディション以外のWindows Pro、Enterprise、およびEducationでのみ利用可能です。
  • 暗号化キーのバックアップは必要です。キーを紛失すると、データが永久に失われます。

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」機能の使い方

ファイルまたはフォルダを暗号化するには、下記の手順に沿って操作してください。

ステップ1:暗号化したい項目を右クリックし、「プロパティ」を選択します。

ステップ2:「全般」タブで「詳細設定」をクリックし、「属性の詳細」ウィンドウを開きます。

ステップ3:「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」にチェックを入れる
提示:
ファイルまたはフォルダを復号化するには、その機能のチェックボックスをオフにしてください。

ステップ4:「適用」と「OK」をクリックすると、暗号化に関する警告が表示され、オプションを選択するよう求められます。

以下のことを推奨します:

  • ファイルとその親フォルダを暗号化する
  • このフォルダ、サブフォルダ、ファイルに変更を適用する

暗号化後、フォルダまたはファイルにロックアイコンが表示されることがわかります。

ステップ5:「属性の詳細」で「詳細」をクリックし、このファイル/フォルダにアクセスできるユーザーを選択して「キーのバックアップ」をクリックします。その後、画面の指示に従ってキーのバックアップを行います。

「キーのバックアップ」をクリックする
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「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレー表示される原因

上記のガイドに従って暗号化機能を使用しようとした際に、「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレー表示になっていて、チェックできない場合があります。

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレーアウトする原因原因は何ですか?

以下のリストを確認して、状況を把握してください。

  • EFSが無効化されている:Windows 11/10/8/7で「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」機能が無効になっています。この場合は、システム構成を確認し、手動で有効にする必要があります。
  • Windowsエディションの制限:お使いのWindowsはHomeエディションであるため、「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレー表示されます。
  • システムファイルが破損している:システムファイル、特にEFSに関連するファイルが破損または欠落している場合、暗号化機能は動作しません。
  • ファイルシステムがNTFSでない:古いOSバージョン(Windows 10 バージョン1607およびServer 2016以前)の場合、この機能はNTFSドライブでのみ利用可能です。そのため、FAT32やexFATなどの他のフォーマットを使用している場合、このオプションは利用できません。
提示:
Windows 10 バージョン1607およびWindows Server 2016以降、MicrosoftはFATおよびexFATに対するEFSサポートを追加しました。つまり、データを保護するためにコンテンツを暗号化できるようになっています。出典:[MS-FSCC]:付録B:製品の動作

Windows 11/10で「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレー表示される時の対処法

この問題に対処するには、いくつかの方法があります。EFSを有効にし、Windowsのエディションを確認してProにアップグレードし、システムファイルを修復し、NTFSに変換してみてください。

方法1:EFSを有効にする

前述の通り、暗号化ファイルシステムが無効になっている場合、暗号化オプションはグレー表示されます。

次のセクションでは、サービス、レジストリエディター、グループポリシーエディター、またはコマンドプロンプトでデータを保護するための暗号化を有効にする方法をご紹介します。

オプション1:暗号化ファイルシステムを自動に設定する

デフォルトでは、暗号化ファイルシステムサービスは手動起動で設定されています。以下の手順に従って自動起動に設定してください:

ステップ1:「Win + R」キーを押してファイル名を指定して実行」ダイアログボックスを開きます。

ステップ2:「services.msc」と入力し、「OK」をクリックして「サービス」を開きます。

ステップ3:下にスクロールして「Encrypting File System(EFS)」を探し、このサービスをダブルクリックします。

ステップ4:「プロパティ」ウィンドウで、「スタートアップの種類」のドロップダウンメニューから「自動」を選択します。

「スタートアップの種類」のドロップダウンメニューから「自動」を選択する

ステップ5:「適用」>「OK」をクリックして変更を適用します。

オプション2:レジストリエディターでキーを変更する

Windowsレジストリは、OSとアプリの設定をすべて保存します。これらの設定を変更してカスタマイズできます。Windows 11/10で「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がチェックできない問題を修正するには、いくつかのキーを変更してみてください。

提示:
Windowsレジストリを誤って操作すると、深刻な問題が発生する可能性があります。そのため、操作を開始する前にレジストリのバックアップを作成するか、システムの復元ポイントを作成してください。

ステップ1:「ファイル名を指定して実行」ウィンドウで「regedit」と入力し、「Enter」キーを押します。

ステップ2:次のパスに移動します:

HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\FileSystem

ステップ3:右側の「NtfsDisableEncryption」キーをダブルクリックします。

ステップ4:「値のデータ」を「0」に設定し、「OK」をクリックします。その後、システムを再起動してEFSを有効化します。

NtfsDisableEncryptionキーの値のデータを0に設定する

オプション3:グループポリシーを確認する

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレー表示される場合、ローカルグループポリシーエディターでこの機能が無効化されていないか確認してください。

ステップ1:Windows 11/10の「検索」ボックスに「gpedit.msc」と入力し、「キー」を押します。

ステップ2:「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「システム」>「ファイルシステム」>「NTFS」に移動します。

ステップ3:「すべてのNTFSボリュームで暗号化を許可しない」をダブルクリックします。「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」オプションを有効にするには、「無効」にチェックを入れます。または、「未構成」にチェックを入れることもできます。

「すべてのNTFSボリュームで暗号化を許可しない」を無効または未構成に設定する

ステップ4:最後に、変更を保存します。

オプション4:コマンドプロンプトでEFSを有効にする

Windows 10/Windows 11で「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレーアウトしている問題を修正するには、コマンドプロンプトで直接EFSを有効にする方法があります。

具体的な操作手順は以下の通りです。

ステップ1:検索ボックスで「コマンドプロンプト」と入力し、「管理者として実行」をクリックします。

ステップ2:CMDウィンドウで「fsutil behavior set disableencryption 0」と入力し、「Enter」キーを押します。

ステップ3:システムを再起動します。その後、ファイル暗号化オプションがまだグレー表示のままかどうかを確認します。

方法2:SFCとDISMスキャンを実行する

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」機能は、システムファイルが破損している場合には利用できない可能性があります。そのため、SFCとDISMを実行してシステムファイルの破損を修復する必要があります。

SFC(システムファイルチェッカー)は、破損したファイルを検証し、キャッシュされたコピーで置き換えます。DISM(展開イメージのサービスと管理) は、Windowsイメージ(.wimファイル)の問題をスキャンし、修復します。

ステップ1:管理者権限でコマンドプロンプトを起動します。

ステップ2:「sfc /scannow」コマンドを入力し、「Enter」キーを押します。

「sfc /scannow」コマンドを入力する

検証が完了したら、EFSでファイルやフォルダを暗号化できるかどうか確認してください。

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それでも「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」オプションがチェックできない場合は、DISMを実行しましょう。以下のコマンドを1つずつ実行してください:

  • DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
  • DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
  • DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

方法3:Windowsエディションを確認する

通常、「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」は、Windows Pro、Enterprise、およびEducation版でのみ機能します。暗号化オプションがグレー表示されている場合は、Windowsのエディションを確認してください。

ステップ1:Windows 11/10「設定」>「システム」>「バージョン情報」に移動します。

ステップ2:「Windowsの仕様」の下で、使用しているエディションを確認できます。

「Windowsの仕様」の下で使用しているエディションを確認する

あるいは、「ファイル名を指定して実行」コマンドを開き、「winver」と入力して「OK」をクリックします。「Windowsについて」ポップアップで、使用中のエディションを確認できます。

Homeエディションの場合、データを暗号化できません。試せる唯一の選択肢は、HomeエディションをPro/Education/Enterpriseエディションにアップグレードすることです。

方法4:FAT32をNTFSに変換する

暗号化機能を利用するには、そのドライブがNTFSファイルシステムを使用している必要があります。暗号化オプションがグレー表示されている場合は、FAT32パーティションを使用している可能性があります。NTFSへの変換を試してみてください。

提示:
この方法は、Windows 7および8、さらにWindows 10 バージョン1607以前に適用されます。私のPCはWindows 10 バージョン2004を使用しているため、exFATおよびFATパーティションでも暗号化機能を引き続き利用できます。

ステップ1:管理者としてコマンドプロンプトを起動します。

ステップ2:以下のコマンドを実行します:convert J: /fs:ntfs。「J:」は実際に使っているドライブの文字に置き換えてください。

「format J: /fs:ntfs」 コマンドを実行する
提示:
さらに、MiniTool Partition Wizardなどのパーティションマネージャーを使用してFAT32をNTFSに変換することもできます。

exFATをNTFSに変換する場合、直接変換できるコマンドは存在しません。そのため、「format J: /fs:ntfs」 コマンドを実行する必要があります。ただし、フォーマットを行うとディスク上のデータはすべて削除されるので注意してください。

そのため、データ損失を防ぐために、事前に重要なファイルをバックアップしておくことをおすすめします。無料のバックアップソフト「MiniTool ShadowMaker」が役に立ちます。今すぐインストールして、データのバックアップを開始しましょう。

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フォルダを暗号化する方法

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」オプションに加え、別の方法でフォルダやファイルを暗号化できます。例えば、AxCryptなどの専門的なサードパーティ製暗号化ツールを試してみてください。

また、Windows 10および11にはBitLocker機能が搭載されています。個々のファイルやフォルダではなく、ドライブ全体を暗号化できます。

必要に応じて適切な方法を選んでください。

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MiniTool ShadowMakerを実行してデータを保護する

データ暗号化に加え、重要なデータを安全に保つ別の方法があります。それは、MiniTool ShadowMakerを実行し、貴重な写真、ドキュメント、動画などをバックアップすることです。

このバックアップソフトはWindows 11/10/8/7に対応し、ファイル、フォルダ、システム、パーティション、ディスクをバックアップできます。バックアップ計画をスケジュール設定することで、自動的にバックアップを作成できます。さらに、増分バックアップや差分バックアップなど、目的に応じたバックアップ方式を選択することも可能です。

特に、MiniTool ShadowMakerはパスワードによるデータ暗号化をサポートしており、バックアップの安全性を高めます。このツールでデータを保護する手順は以下の通りです。

ステップ1:USBドライブまたは外付けハードドライブをPCに接続します。

ステップ2:MiniTool ShadowMakerトライアルエディションをダウンロード、インストールし、起動します。

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ステップ3:「バックアップ」ページで、「ソース」>「フォルダーとファイル」の順にクリックして、バックアップしたいファイルまたはフォルダを選択します。また、「バックアップ先」をクリックし、外部ドライブを保存先として選択します。

ステップ4:バックアップを暗号化するには:

1.「バックアップ」画面に戻り、「オプション」>「バックアップオプション」>「パスワード」の順にをクリックします。

2.パスワード保護を有効にし、AES256などのデータ暗号化オプションを選択します。

3.パスワードを入力して確認した後、「OK」をクリックします。

MiniTool ShadowMakerでバックアップを暗号化する

ステップ5:「今すぐバックアップ」をクリックして、バックアッププロセスを開始します。

結論

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレー表示でチェックできない原因は何ですか?Windows 11/10/8/7でこの問題を修正する方法とは?この記事で解決策を見つけることができます。

この煩わしい問題に直面している場合は、「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」機能を有効にし、SFCとDISMを実行したうえで、Windowsのエディションを確認し、必要に応じてNTFSに変換してみてください。

さらに、重要なデータのバックアップには、MiniTool ShadowMakerを実行し、バックアップを暗号化してデータを保護することをおすすめします。

「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」がグレー表示:よくあるご質問

データを保護するためにコンテンツを暗号化すると、どのようなことが起きるのでしょうか?
データを暗号化すると、コンテンツは秘密のコードに変換されます。復号鍵がなければ、内容を解読することはできません。
Windows 11 Homeでフォルダを暗号化する方法は?
Windows 11 Homeでフォルダを暗号化するには、AxCryptや7-ZIPのようなサードパーティ製暗号化ツールを使用するのが良い選択肢です。
フォルダの内容を暗号化できないのはなぜですか?
1.NTFSドライブを使用していない
2.EFSが無効になっている
3.Windows Homeエディションを実行している
4.システムファイルが破損している
アカウントがパスワードで保護されている場合でも、なぜデータを暗号化することが推奨されるのでしょうか?
強力なパスワードで保護している場合でも、データの暗号化は推奨されます。パスワードだけではサイバー攻撃に対して脆弱な場合がありますが、暗号化は追加のセキュリティ層を提供し、不正アクセスを受けてもデータを読み取れない状態にします。
  • hatena