RAID 5は、中小企業やその他の組織で頻繁に使用される一般的なRAID設定です。他の記憶装置と同様に、RAID 5 も様々な理由で破損する可能性があります。RAID 5 がクラッシュすると、そこに保存されているデータは危険にさらされます。そこで、ここでは、RAID 5のデータ復旧を簡単かつ迅速に行う方法をご説明します。また、RAID 5を再構築するためのヒントもご紹介していきます。
RAID 5のデータ復旧とは
RAID（Redundant Array of Independent Disks）とは、データ ストレージ仮想化技術の一つで、複数の物理ディスク ドライブを一つまたは複数の論理ユニットに分割したものです。RAIDを構築する主な3つの目的は、データの冗長性、耐障害性、およびパフォーマンスの向上（またはその組み合わせ）です。
ヒント：仮想ディスクからデータを復旧するには？
一般的なRAIDスキームまたはデータ・ディストリビューション・レイアウトには、RAID 0、RAID 1、RAID 5、RAID 0+1 などがあります。パフォーマンス、容量、信頼性、および可用性のバランスは、RAIDレベルによって異なります。
RAIDが破損していることに気づいたら、早速にそこからのデータ復旧を開始する必要があります。以下の内容は、RAID 5のデータ復旧のみに焦点を当てています。他の種類のRAIDからのデータ復旧も基本的には同じです。
- RAIDからデータを復旧するためには、以下の点を確認する必要があります。
- 使用されているディスクの数
- RAIDアレイで使用されているパリティの種類
- ディスクの配列とブロックサイズ
- オフセットパターン
- …
データが見つかり、RAIDパラメータが正しく設定されていれば、RAID 5パーティションの復旧が可能です。
RAID 5の故障
RAID 5の最大の利点は、パリティ情報が異なるドライブに割り当てられているため、RAID 5の1つのディスクに障害が発生してもアレイは動作し続けて、データの損失は発生しません。
状況1：
同じRAID 5で2台以上のドライブが故障した場合、アレイは壊れ、データは危険にさらされます。アレイの再構築には多くの時間を必要とし、ドライブの故障を引き起こす可能性が高いため、プロセス中に深刻な災害が発生することがあります。さらに、RAID 5アレイの再構築時には、関係するすべてのディスク ドライブからデータを読み込む必要があるため、結果として、2台目のドライブに障害が発生し、アレイ全体が失われるおそれがあります。
状況2：
RAID 5で1台のドライブが故障しているときにアレイを強制的にオンラインに戻そうとすると、アレイが故障しがちになります。RAID 5は1台のディスクが故障しても引き続き機能し、ほとんどのRAID 5コントローラがあるにもかかわらず、強制オンライン機能がすべてを台無しにするおそれがあります。故障したディスクがこの機能によってオンラインにプッシュバックされた場合、アレイ全体が直ちに破損してしまいます。
どちらの状況でも、デグレードしたRAIDから素早くデータを復旧するためには、以下に示す手順に従う必要があります。
2台のドライブが故障したRAID 5からデータを復旧する
RAID 5は2台のドライブを失うことがある
RAID 5に含まれるディスクに保存されているすべてのデータは、ディスクが突然故障しない限り（パリティにより）利用可能です。
2台のドライブが故障した場合、RAID 5アレイを復旧できますか？
6台のドライブで構成されたRAID 5のあるPERCコントローラを含むDell 2600を持っています。2台のドライブが同時に故障しました。私の知る限りでは、RAID 5は1台のドライブが故障しても復旧可能です。アレイに6台のドライブがあったことが、パソコンを救ってくれたのかどうかはわかりません。新しいドライブを2台購入して接続しましたが、期待どおりに再構築されませんでした。何か解決策があれば教えてくれませんか？– serverfault.comのbonga86さんより
RAID 5で破損したディスクの台数
- 1台のディスクだけが故障した場合、ハードディスクの故障が検出されるとRAID 5の再構築が直ちに開始されるので、単一のRAID 5ディスクからデータを復旧することは容易です。
- それに対して、2台以上のディスクが同時に破損した場合は、すべてのデータが失われます。
つまり、RAID 5は、破損したディスクが1つだけであれば存続することができるのです。2つ以上のディスクがトラブルになっていることに気づいたら、すぐにRAID 5からのデータ復旧を行ってください。
障害のあるRAID 5ディスクからデータを復旧する方法
RAID 5で重要なデータが入っている1台または複数台のディスクが故障し、そのディスクからファイルを救出したい場合は、RAIDデータ復旧ソフトウェアの助けが必要です。
MiniTool® Software Ltd.の「MiniTool Power Data Recovery」というプログラムは、ほとんどのユーザーから最高のRAID復旧ソフトウェアと評価されています（RAID 1、RAID 5、およびその他のタイプのRAIDに対応）。クラッシュしたディスクと、問題のあるパーティションを持つディスクの両方からデータを復元することができます。
- RAIDの構成テーブルが機能していることを確認する必要があります。故障に遭遇した場合は、RAIDデータ復旧を開始する前に、適切に修正してください。
- RAID 1のドライブからデータを復元したい場合は、ディスクが正常に動作していることを確認するだけで十分です。
ステップ1：信頼できるリンクからMiniTool Power Data Recoveryのセットアップ プログラムを入手して、PCに保存します。
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ステップ2：セットアップ プログラムを実行してインストール プロセスを終了し、故障したRAIDディスクがこのPCに接続されていることを確認します。
ステップ3：このRAID復旧ソフトウェアを起動し、メインインタフェースから適切な機能を選択します。
- ハードドライブ上の既存のパーティションまたは紛失されたパーティションからファイルを復元する場合は、「論理ドライブ」を選択したままにしてください。
- 削除/紛失したパーティションが「論理ドライブ」タブに表示されない場合は、「デバイス」を選択してください。
ステップ4：取り戻したいデータが含まれているパーティション/ディスクをダブルクリックして、ドライブのスキャンを開始します。
ステップ5：ソフトウェアによってますます多くのファイルが発見されるので、必要なものにチェックを入れてください。
ステップ6：「保存」をクリックして、ポップアップ ウィンドウで保存パスを選択します。次に、「OK」をクリックして確認し、復元プロセスが完了するのを待ちます。
注意：
試用版では、ディスクをスキャンして、見つかったファイルを無料でプレビューすることしかできないため、検出されたデータを復元するには、ソフトウェアを高度なエディションにアップグレードする必要があります。
RAIDのデータ復旧を行う必要がある場合には、以下の点を考慮すべきです。
- RAIDに含まれているデータを永久に失っても構いませんか？
- RAIDアレイには何台のドライブがありますか？
- RAID構成ディスクの順番を明確にご存知でしょうか？
- RAID故障の原因は何でしょうか？
- 選択した復旧ソフトウェアは、RAIDからデータを安全に復旧することができますか？
復旧作業が終わったら、故障したRAID 5の再構築を行う必要があります。
おすすめ記事：RAID 5 単一ディスク障害のリカバリー
故障したRAID 5を自分で再構築する
RAID 5が普及している最も重要な理由の1つは、単一のドライブ障害に耐性があることです。
- 特定のディスクが故障すると、RAID 5はパリティ機能を利用してRAIDアレイ全体からデータを救出し始めます。これにより、失われたデータを計算することができます。
- 2台以上のディスクが故障した場合は、素早く上記の方法でRAID 5からデータを復旧させる必要があります。
データ復旧が完了したら、RAID 5を再構築してみてください。成功率を上げるには、以下の方法があります。
- システムから変な音が聞こえたら、すぐにシステムの電源を切り、被害が拡大しないようにします。
- 故障の原因となりうる要因を分析し、ディスク ドライブの状態を慎重に評価します。
- ディスクドライブをアレイから取り外す際には、順番に並べることにご注意ください。
データを失わずにRAID 5を再構築する方法
RAID 5の再構築にはどのくらいの時間がかかりますか？
再構築プロセスには、どのくらいの時間が必要なのかと聞かれることがあります。実は、明確な答えはありません。ドライブの数や容量を増やせば増やすほど、RAIDの再構築に必要な時間は長くなります。
RAIDの再構築時間は、RAIDディスクに保存されているデータの量と、RAID全体の容量という2つの要素に密接に関係しています。ストレージ管理者、特に企業の管理者にとっては非常に重要なことです。
1台のディスクが故障した場合に再構築する方法：
- デバイスをシャットダウンします。
- 故障したドライブを取り出して、同じ容量の新しいドライブと交換します。
- RAIDは自動的に再構築されますので、そのままお待ちください。
再構築中に2台目のドライブが故障する可能性が高いので、プロセス中には注意が必要です。別のドライブとコントローラに故障が発生すると、再構築プロセスが失敗することになります。
2台以上のディスクが故障した場合に再構築する方法：
- 前編で紹介した方法で、RAIDからデータを復元します。
- 元のドライブがすべて揃っていることを確認し、順番にラベルを付けます。
- RAIDを専門の復旧会社に送れば、元通りになることができるはずです。
注意事項
RAIDの再構築が成功した場合、データの損失を防ぐように、以下の点に注意を払ってください。
- 故障した RAIDに含まれるディスクには、新しいファイルやフォルダを作成しないでください。
- 不慮の事故に備えて、RAID構造のイメージを作成しておきます。
- セキュリティを確保するために、ディスク（または少なくとも重要なファイル）のバックアップを別のボリュームに作成します。
- 必要に応じてCHKDSKを実行するか、FSCK ツールを使用してエラーをチェックします。
- データを変更（追加、移動、削除）しないでください。
CHKDSKの実行後に失われたデータを回復する方法については、下記の記事をご覧ください。
RAID 5の用途
RAID 5は、最も一般的なRAID構成の一つで、パリティ付きのディスク ストライピングを採用し、少なくとも3台のハードディスクドライブ（最大16台）で構成されます。RAID 5アレイでは、データとパリティはアレイに含まれるディスクに均等に割り当てられます（固定のドライブには書き込まれません）。コンピューターは、パリティデータを使って、RAID5の他のデータブロックにあるデータを再計算できますので、単一のドライブに障害が発生した後もRAID 5が機能し続けます。
したがって、RAID 5は最も信頼性の高いRAIDスキームの 1 つとして評価されています。これがパリティデータの保存によるボトルネック問題を大幅に改善しました
- RAID 1/RAID 10と比較した場合のRAID 5の利点：使用可能なストレージが多いです。
- RAID 5のパフォーマンスは、RAID 0とほぼ同等です。
RAID 5はソフトウェアで実現できますが、お勧めできません。ハードウェア コントローラの方が、書き込みパフォーマンスを向上させるために、コントローラ上で余分なキャッシュメモリを使用できるので、優れています。
RAID 5の仕組み
ストライピングとは何ですか？実は、データの連続したセグメントを異なるディスクに保存することを指します。これは、スループットとパフォーマンスを向上させる良い方法です。ディスクのストライピングは、パリティと一緒に、RAID 5に冗長性と信頼性をもたらします。RAID 5のメリットは、主にディスク ストライピングとパリティにあります。
RAID 5では、データの冗長性を提供するのは、一般的なミラーリングではなく、パリティです。パリティはシステムによって計算され、新しいデータがRAID 5に書き込まれるたびに、対応するドライブに書き込まれます。
RAID 5とミラーリングの相違点
- RAID 5では、ドライブに障害が発生すると、システムはパリティデータを使用して再構築を開始します。
- ミラーリングでは、突然の故障に備えて、データの複数のコピーが同時に異なるボリュームに保持されます。
RAID 5は、2台のドライブに保存されたデータをまとめることができます。これは、そのデータが3台目のハードディスクに保存されたことに相当します。これにより、1台のドライブが故障しても、RAIDデータが危険にさらされることはありません。したがって、RAID 5のディスクはホットスワップが可能であり、マシンを停止することなく故障したハードディスクを取り外して、新しいドライブと交換することができます。
結語
効率的なストレージ、高いセキュリティ、そして素晴らしいパフォーマンスを兼ね備えたRAID 5は、オールマイティなシステムです。また、限られたデータドライブを搭載しているファイル サーバーやアプリケーション サーバーに適しています。なお、個人ユーザー、企業、多くの組織にとっても重要です。ですから、RAID 5のデータが失われると大変な影響が出る可能性があるため、RAID 5の復旧は非常に重要です。
RAID 5が故障した（故障しそうな）場合は、まずRAID 5のデータ復旧を行い、その後、自分で、または必要に応じて専門家に依頼してRAID 5を再構築する必要があります。