メモリには様々な種類があります。この記事ではSRAMについての情報を紹介します。
パソコンでは、ジャンプドライブやSSDなど、数多くのストレージデバイスが使用できます。このMiniToolの記事では、SRAMについて紹介します。
SRAMの概要
SRAMはStatic Random-Access Memoryの略で、半導体ランダムアクセスメモリの一種です。双安定ラッチ回路(フリップフロップ)を採用することにより情報を記憶します。
SRAMはデータの永続性を備えていますが、揮発性です。メモリの電源が入っていない場合、データは失われます。
SRAMはDRAMとは異なり、DRAMは定期的にリフレッシュする必要があります。SRAMはDRAMよりも高速で高価です。通常、SRAMはCPUのキャッシュメモリに使用され、DRAMはコンピューターのメインメモリに使用されます。
SRAMのメリットとデメリット:
- メリット: シンプル (リフレッシュ回路が不要)、パフォーマンス、信頼性、低アイドル電力消費
- デメリット:高価格、超高密度、高い運用電力消費
SRAMの消費電力は、アクセス頻度によって大きく異なります。高周波数で使用するとダイナミックRAMと同じくらいの電力を消費する可能性があり、一部のICは全帯域幅で何ワットも消費します。
一方、適度にクロックされたマイクロプロセッサを使用するアプリケーションなど、低速で使用されるSRAM は、電力をほとんど消費せず、アイドル時の消費電力も数マイクロワット程度と、ほとんど無視できるほど小さいです。SRAMを用いたメモリ構造の消費電力を管理するために、いくつかの技術が推奨されています。
SRAMの使用
SRAMはさまざまな場所で使用できます。この部分では、SRAMの使用例について説明します。
現代のSRAMデバイス
SRAMは、汎用品・チップで見つけることができます。
汎用品
- 「非同期」インタフェース
- 「同期」インタフェース
チップ上への統合
- RAMまたはキャッシュとしてマイクロコントローラに搭載されます (通常、32 byteから128 KB)。
- 一次キャッシュとしてx86ファミリーや他の高性能マイクロプロセッサに搭載されます(8KBから数MB)。
- マイクロプロセッサなどのレジスタの実装に使われています(レジスタファイルを参照)。
- 専用のICやASICに搭載されます (通常、数KBのオーダー)。
- FPGAやCPLDなどのプログラマブルロジックデバイスに搭載されます。
組み込み用途
産業・科学技術システム、自動車の車載エレクトロニクスなどに使用されています。最新の電子機器や電子玩具には、ある程度の量(数KBまたはそれ以下)のSRAMがほとんど必ず搭載されています。デジタルカメラやスマホ、シンセサイザーなどの複雑な製品には数MBのSRAMが搭載されています。
デュアルポート型のSRAMは、リアルタイム方式のデジタル信号処理回路に使われることもあります。
コンピューターで使用する
SRAMは、PC、ワークステーション、ルーター、周辺機器にも使われています。CPU内蔵のキャッシュメモリ、外付けバーストモードのSRAMキャッシュ、ハードディスクドライブのバッファ、ルーターのバッファなどです。液晶ディスプレイやプリンターも表示(印刷)する画像を保持するのに使用されています。同様、ケーブルモデムなどの機器もSRAMをバッファとして使っています。
趣味
SRAMは、DRAMに比べてリフレッシュサイクルがなく、アドレスバスやデータバスに多重化せずに直接アクセスでき、回路設計も簡単なため、ホビー向けデジタル回路に好んで使用されることが多いです。バスと電源以外にSRAMが必要とする制御は3種類(Chip Enable、Write Enable、Output Enable)のみです。また、同期型SRAMはClock (CLK)が必要です。
SRAMの種類
不揮発性SRAM (NV-SRAM)
不揮発性SRAMは、SRAMを組み込んだ不揮発性メモリですが、主電源を切っても重要なデータを保持できます。不揮発性SRAMには幅広いアプリケーションがあり、例えば、ネットワーキング、航空宇宙、医療、などで利用されています。
疑似SRAM (PSRAM)
疑似SRAMは、同じ容量のSRAMよりも安価で、小型化が容易です。ただし、消費電力とデータ転送速度の点では、SRAMとDRAMの両方に遅れをとっています。
トランジスタの種類による
- バイポーラトランジスタ (TTLやECL用):高速ですが、多くの電力を消費します。
- MOSFET (CMOS用):低消費電力で、現在広く普及しています。
機能による
- 非同期:クロック信号に依存せず、アドレスを変更することでデータの読み書きを制御します。
- 同期:すべてのタイミングにクロック信号の変わり目(エッジ)を使用します。アドレス、データ、その他の制御信号もすべてクロックに同期しています。
特徴による
- Zero bus turnaround (ZBT)
- syncBurst (syncBurst SRAMやsynchronous-burst SRAM)
- DDR SRAM
- Quad Data Rate SRAM
フリップフロップの種類による
- バイナリSRAM
- ターナリSRAM
SRAMの状態
SRAMのメモリセルには、スタンバイ(回路がアイドル状態)、読み取り(データが要求される)、書き込み(コンテンツの更新)の3つの状態があります。読み取りモードと書き込みモードで動作するSRAMには、それぞれ「読み取り可能性」と「書き込み安定性」が必要です。
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