「ボリュームの拡張」がグレー表示されている原因
Windows Server 2022に標準搭載されている「ディスクの管理」ツールを使用してボリュームを拡張する時にいくつかの制限があります。以下のような状況に該当する場合、「ボリュームの拡張」オプションがグレーアウトして使用できなくなります。
- 未割り当て領域が隣接していない、または拡張したいパーティションの右側にない
- 対応していないファイルシステムを使用している
- ディスクのパーティション形式がMBRである
- 回復パーティションやEFIシステムパーティションにより、ボリュームの拡張が妨げられている
これらの制限を理解すれば、状況に応じた解決策を見つけやすくなります。以下では、それぞれのケースに対して具体的な対処法を詳しくご紹介します。
ケース1:隣接する未割り当て領域がない
Windows Server 2022のディスク管理ツールには、ボリューム拡張操作に対する明確な物理位置要件があります。特定のパーティションを正常に拡張するには、そのパーティションの直後(右側)に未割り当ての空き領域が存在している必要があります。つまり、未割り当て領域が拡張したいパーティションの左側にある場合や、間に他のパーティションが挟まっている場合は、ディスク管理ツールを使用して直接拡張することはできません。このような状況に対して、3つの解決策を提案します。
方法1:未割り当て領域をパーティションのすぐ右に移動する
未割り当て領域がターゲット パーティションの右に隣接していない場合は、MiniTool Partition Wizardなどの強力なサードパーティ製ディスク管理ソフトを使用して、パーティションと未割り当て領域の位置を柔軟に調整できます。
この多用途のソフトは、パーティションの作成、フォーマット、削除などの基本的な操作を実行できるだけでなく、パーティションの移動/サイズ変更、ハードドライブの消去/複製、OSの移行、データ復元などの高度なタスクも実行できます。特に注目すべき点は、データを失うことなく柔軟にパーティション構成を調整できるため、本来隣接していない未割り当て領域も活用できることです。
それでは、MiniTool Partition Wizardを使用してディスク上の未割り当て領域の位置を調整しましょう。
ステップ1:MiniTool Partition WizardをPCにダウンロードしてインストールします。
MiniTool Partition Wizard Demoクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ2:本ソフトのメイン画面に入り、対象のパーティションと未割り当て領域の間にあるパーティションを右クリックして、コンテキストメニューから「移動/サイズ変更」を選択します。

ステップ3:未割り当て領域が対象パーティションの右側にある場合は、両者間のパーティションを右端までドラッグして「OK」をクリックします。

ステップ4:最後に、「適用」をクリックして操作を実行します。その結果、未割り当て領域が対象パーティションの右側に移動します。
方法2:パーティションを縮小して未割り当て領域を確保する
ディスク上に未割り当て領域がないことが原因で、Windows Server 2022でパーティションを拡張できないこともあります。このような場合は、まず他の既存のパーティションを縮小して未割り当て領域を確保することが必要です。
ステップ1:スタートアイコンを右クリックし、「ディスクの管理」を選択します。
ステップ2:ディスクマップから縮小したいパーティションを右クリックし、「ボリュームの縮小」を選択します。

ステップ3:次の画面で、縮小する容量をMB単位で入力して「縮小」をクリックします。

すると、縮小された容量がすべて未割り当て領域に変換されます。次に、方法1の手順に従って拡張するパーティションの右側に隣接する位置に移動してください。
方法3:MiniTool Partition Wizardを使用してパーティションを拡張する
パーティションを簡単に拡張するには、制限の多いWindows Server 2022ディスク管理ツールの使用より、MiniTool Partition Wizardを利用することをお勧めします。本ソフトは、連続していない未割り当て領域や他のパーティション上の空き領域から空き容量を取得して特定のパーティションを拡張できます。
ステップ1:MiniTool Partition WizardをPCにダウンロードしてインストールします。
ステップ2:本ソフトのメイン画面に入り、拡張したいパーティションを強調表示し、左側のアクションパネルから「パーティション拡張」を選択します。
ステップ3:ポップアップウィンドウで、「以下の空き領域から」のドロップダウン メニューから容量を取る他のパーティションまたは未割り当て領域を選択し、下の青いスライダー バーをドラッグしてサイズを調整します。

ステップ4:「OK」→「適用」をクリックして変更を実行します。
これにより、隣接する未割り当て領域がなくても、特定のパーティションを簡単に拡張できます。
ケース2:パーティションのファイルシステムがサポートされていない
Windows Server 2022のディスク管理ツールは、NTFSとReFSファイル システムのパーティションの拡張のみをサポートします。パーティションがFAT32やその他のファイル システムの場合、このツールでは拡張できません。
このような状況に直面した場合、問題を解決するのに役立つ2つの方法があります。
方法1:FAT32をNTFSに変換する
FAT32ファイルシステムを使用している場合は、以下の手順に従ってデータを失うことなくFAT32をNTFSに変換できます。
ステップ1:Windows + Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
ステップ2:テキストボックスに「cmd」と入力し、「OK」をクリックします。
ステップ3:コマンドプロンプトウィンドウで「convert X: /fs:ntfs」と入力し、Enterキーを押します。Xは実際のドライブ文字に置き換えてください。
方法2:パーティションをNTFSにフォーマットする
パーティションのファイルシステムを変更するもう一つの方法は、フォーマットを実行することです。Windowsに標準搭載されているディスク管理ツールやDiskpartを使用すれば、パーティションのフォーマットを簡単に実行できます。詳細な手順は以下のとおりです。
#1. ディスクの管理を使う
ステップ1:スタートアイコンを右クリックし、「ディスクの管理」を選択します。
ステップ2:対象パーティションを右クリックし、「フォーマット」を選択します。
ステップ3:次のウィンドウで、「ファイルシステム」ドロップダウンメニューから「NTFS」を選択し、「クイック フォーマットする」にチェックを入れて「OK」をクリックします。

ステップ4:プロンプトが表示されたら、「OK」をクリックして操作を確認します。
#2. Diskpartを使う
ステップ1:「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「cmd」と入力してEnterキーを押します。
ステップ2:コマンドプロンプトを起動したら、以下のコマンドを入力し、それぞれEnterキーを押します。
- diskpart
- list disk
- select disk N(Nはフォーマットするパーティションを含むディスクの番号です)
- list partition
- select partition n(nはフォーマットするパーティションの番号です)
- format fs=ntfs quick

フォーマットのオプションがグレーアウトしている場合や、Diskpartでのフォーマットが0%で止まってしまうような問題が発生した場合は、MiniTool Partition Wizardを使ってフォーマットを試すのも一つの方法です。
- PCでMiniTool Partition Wizardを起動します。
- フォーマットするパーティションを強調表示し、左パネルから「パーティションフォーマット」を選択します。
- ファイルシステムをNTFSに設定し、「OK」をクリックします。
- 完了したら、「適用」をクリックしてパーティションをフォーマットします。

ケース3:ディスクのパーティション形式がMBRである
MBR(Master Boot Record)形式のディスクでは、最大で2TBまでのボリュームしかサポートされていません。ディスクがMBR形式で、すでに2TBに達しているか近い場合、未割り当て領域があってもパーティションをこれ以上拡張することはできません。2TBの制限を超えるには、MBRディスクをGPT(GUID Partition Table)ディスクに変換する必要があります。
方法1:Diskpartを使用する
Diskpartを使用して MBRをGPTに正常に変換するには、管理者としてコマンド プロンプトを開き、次のコマンドを順番に実行してください。
- diskpart
- list disk
- select disk N
- clean
- convert gpt
方法2:MiniTool Partition Wizardを使用する
MiniTool Partition Wizardを使えば、データを失うことなくディスクをMBRからGPTに変換できます。詳細手順は以下のとおりです。
ステップ1: MiniTool Partition WizardをPCにダウンロードしてインストールします。
MiniTool Partition Wizard Demoクリックしてダウンロード100%クリーン&セーフ
ステップ2:メイン画面に入ったら、ターゲット ディスクを右クリックし、「MBR ディスクを GPTに変換」を選択します。

ステップ3:最後に、「適用」をクリックして保留中の操作を保存することを忘れないでください。
ケース4:回復パーティションが拡張の妨げになっている
場合によっては、Cドライブのすぐ右に回復パーティションまたは EFI システム パーティションが存在することがあります。これらのパーティションにより、Cドライブの拡張が妨げられています。このような場合は、主に2つの解決策があります。
1. 回復パーティションを移動する
これは、回復パーティションを削除せずにCドライブの拡張条件を作成する最も一般的な方法です。ただし、Windows標準搭載のディスク管理ツールではパーティションの移動ができないため、MiniTool Partition Wizardなどの専門的なサードパーティ製パーティション管理ツールを使用する必要があります。詳細手順はケース1の方法1を参照してください。
2. 回復パーティションを直接削除する
警告:回復パーティションを削除すると、Windowsの組み込み回復環境を使用してシステムの復元やトラブルシューティングを実行できなくなります。そのため、操作を実行する前に、システムに問題が発生した場合に回復できるように、完全なシステム バックアップを作成するか、起動可能な回復メディアを作成することを強くお勧めします。
回復パーティションが提供する機能が不要になった場合、またはすでに代替の回復ソリューションをお持ちの場合は、記事「Windows10でパーティションを削除する方法」を参照して回復パーティションを削除しましょう。
結語
この記事では、Windows Server 2022でボリュームを拡張できない原因を解説し、対応する解決策を紹介しています。Windows Server 2022でボリュームを拡張できない場合は、この記事を読んで原因を特定し、適切な解決策を適用してください。
MiniTool Partition Wizardの使用中に何かご不明な点やご意見がございましたら、お気軽に[email protected]までご連絡ください。